樹や庭の基礎知識 

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生垣の管理 レッドロビンと褐斑病

赤い新芽があざやかなレッドロビン

鮮やかな生垣が洋風な家に似合い、大変人気の樹種です

お客様のお庭で生垣、学校や工場などの緑化木として、良く見かけます

ところが、沢山植えられるに従い、病気が目立つようになりました。葉の変色し葉が落ちてしまい、無残な生垣も良く見かけるようになってしまいました

お客様から 相談があり、何件か対策に取り組んできました

もし、レッドロビンの生垣が傷んでしまい、対策がわからず、片づけて別の生垣にしよう・・などと考えている方の参考になると良いと思い お話します

目次

レッドロビンの生垣の病気

葉に小さな褐色の斑点ができ、気づくとどんどん広がり、葉が次々 落ちてしまう・・
つやのある 革質の鮮やかな赤や緑の葉の生垣が、いつの間にか 枯れたような枝だけになってしまいます
お客様から、落胆しあきらめたような相談の電話があります
(写真:褐斑病で傷んだレッドロビンの生垣です)

原因は褐斑病

カビ(糸状菌:しじょうきん)が原因で、レッドロビン等花木だけではなく、野菜や果樹、草花など多くに発症します
褐斑病の菌は20種類以上確認されているそうです。種によって繁殖する植物が異なるそうです
これらの菌は冬の間は落葉や枝、幹に潜んで越冬し、翌年 暖かくなると繁殖を始めます
褐斑病は糸状菌が原因で発症します。木の中や、落葉で越冬した菌は 暖かくなると胞子をつくり、風や雨などにより菌が飛散します
落葉や土の中に潜んだ菌も 雨のはね返りで、再び木についてしまいます
胞子がついた葉で、褐斑病が広がり、新たにつくられた胞子が雨などで周囲に飛散してどんどん広がってしまいます
(写真:褐斑病に罹ったレッドロビンの葉)

褐斑病の生垣の対策

褐斑病に罹った葉や落ちた葉には、褐斑病の糸状菌がついています
まずは、この葉や落ち葉をできる限り取り除きます
取り除いた後、新芽に糸状菌がつかないようにするために、殺菌剤を散布します
・菌が活発になる、春以降 1カ月おきに複数回散布します
私はまず3回散布したあと観察し、一旦中止するか、散布を続けるか判断します
葉がイラガの幼虫(デンキムシ)に食害された葉があったら、殺虫剤も散布します
・散布の際、糸状菌は葉だけではなく幹にもあるので、全体に薬液がかかるようにします
・殺菌剤は適用表に、「褐斑病」「樹木類等」の表記のある殺菌剤を散布します(複数回散布する際は 殺菌剤、殺虫剤は、対象病害虫に耐性ができないように、異なる種類を散布します)
・樹勢を回復するために、初回に根元に鉄杭などで10cm程度穴をあけて(2-3ヶ所/株)化成肥料、殺虫剤を施します
殺虫剤は根元に潜んで根を食害するコガネムシの幼虫の駆除が目的です

杭で穴をあけるのは、化成肥料を地表に播くと、雑草の養分になってしまうのを防ぐことがあります。また穴をあけることで、硬く締まってしまった土の通気性を良くする効果もあるようです
(写真:改善したレッドロビンの生垣)

最近対策したお客様です

あきらめていたようで、改善に大変喜んでいただいています
ただ、完全に除菌できたわけではないと思いますので、よく観察し、適宜散布することが大切と思います
特に驚いたことに、散布した薬液が、下に植えてあったクリスマスローズにも効果があり、とても元気になりました
(写真:褐斑病で傷んだクリスマスローズ)

まとめとして

個人的にできるとは思いますが、複数の殺菌剤をそろえることや、噴霧器を購入するのも大変と思いますので、専門の方に任せるのも良いと思います
弊社では、薬剤散布は低価格に設定していますので、一度ご連絡ください
植栽の風通しを良くすることも、病害虫の被害を減らす管理の基本です。定期的な剪定をお勧めします
(写真:元気になったレッドロビンの下のクリスマスローズ)

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