樹や庭の基礎知識 

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庭に池を造るメリットとディメリット

お客様から質問に答える、その2回目は「庭に池を作るメリットとデメリット」です

目次

庭と池

小学生の頃(昭和40年中ごろ)、わが家では父が石を並べ、大きな池を造り、金魚を飼いました
私はその池で泳げるようになりました。自作の模型ヨットを浮かべたりしました・・それくらい大きな池でした
その後、池は壊しましたが、子供の頃の思い出です
池は四季の移り変わりを感じ癒される庭の空間の演出になります

もともとここには池があったのよ・・と言われる庭があります。現在は砂利などを敷き、枯山水風になっていて、わが家と同様 池を続けられない理由があったようです

家相や風水では敷地内に池を造ることは勧められていません。メリットとディメリットについてお話ししたいと思います

池のメリット・・趣味としての楽しみ

池のある庭と言うと豊かさの象徴(海外ではプール付きの庭でしょうか?)
日本では古代より自然に畏敬の念を抱き崇拝してきました。大きな石を神の御代としたり、池を海と見立てて島に海神を祀ったものが 日本庭園の原点と思います
仏教の伝来とともに大陸の庭園文化が移入され、本格的な庭園や池が造られるようになりました
規模はちがいますが、現代 個人邸に池を配した庭を造るのは、日本庭園の流れがあります

趣味としての池があります
知人は、池でコイを飼い その浄化槽でクワイを育ています。年末に浄化槽を掃除する際にクワイを収穫し、お節料理の一品として並ぶそうです
スイレンやハスを育て、その花を楽しむ方もいらっしゃいます
池が無ければ楽しめない、素敵な庭になっていると思います

近年は ビオトープとして 魚や虫、微生物など多様な生物を住まわせています

池のディメリット

家相・風水の考え方からすると、家の敷地内に池を配置することは勧められていません
(私は家相・風水の専門家ではありませんが)家相は、日本で独自に発達したもので、日本特有の気候風土の中で、経験的に積み重ねられた生活の知恵と言えます。参考にすることは良い事と思います

池を造る事のディメリットを説明していきたいと思います
1)危険である
小さな池、そんな危険があるの?と思われるかもしれませんが、姪が小さいころ 落ちたことがあります。少し目を離したすきに・・発見が早く濡れただけで済みましたが、近くに大人が居なかったらとゾッとしました
小さな池でも足を滑らせて落ち、慌てて転んで頭を打って等、おもわぬ危険があります

2)湿気が多くなり家が傷みやすくなる
池は常に水が溜まっているため、周辺は湿気が多くなります。家相では、温度・湿度・光の快適性を求めるので、湿気は良くないと考えられます。池の湿気により 家はカビが生えやすくなり、また家の基礎部分を傷めることになります

3)不潔になりやすい
カの幼虫(ボウフラ)は水たまりに発生します。金魚などを飼えば発生を抑えられますが、100%とはいきません。水の管理をしないと悪臭を発生したり、美観的にも悪くなってしまいます。池の水の管理にはそれなりの設備が必要です。お金や労力・時間が必要になります

庭に池を造るときのポイント

ディメリットを理解した上で、庭を楽しむ池を造ることは良いと思います
作る場合
・安全に配慮する
・湿気に配慮する
・水が腐らないように工夫する です

1)安全に配慮する
特に子供は水に興味を持ちやすく、近づきやすい面があります。子供との約束(近づかない、モノが落ちても拾わないなど)を決めておくことも大切です
施工するうえでの検討点は
・(飼うものによりますが)池をに深くしない
・子供が入りにくい配置や柵などを設置する
・池の縁がつまづきやすい段差や、滑りやすい石・植栽は避ける

2)湿気に配慮する
・建物の外壁から十分離す。家に池が接しないようにする
・勾配、高低差に配慮し、水が家に流れないようにする
 不意な大雨で、排水を上回り水があふれてしまう事があります。あふれた場合でも、水が家側に流れないようにします
・池の防水処理をしっかりする
池の縁に石を並べ、底と側面にコンクリートを打つという工法が一般的でしたが、石とコンクリートのすき間から水が漏れることが多いです
現在は、袋打ちによる施工が多いです。袋打ちは、池の形がおさまる大きめな水の漏れないコンクリートの水槽をつくり、後からその中に池を造るものです
防水シートを使った袋打ちに工法もあります。池の形状などにより長短がありますので、ご相談ください
また、大きさや形には制約がありますが、既成の成型品の池を使うことで、簡単に防水ができます

3)水が腐らないように設備など工夫する
・給排水と循環ろ過設備を設置する
給水は主に水道水が使われることになります。すべて水道水で給水し、排水された分を補うのでは経済的に負担が大きくなります
池に設置されたオーバーフロー(池の水位を一定に保つために、自動的に水をあふれさせる部分)の水をろ過し、ふたたび池の戻す循環ろ過装置のも有効です
簡易型・一体型の循環ろ過装置もあります。池の大きさによりますが、これも有効です


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まとめとして

池と組み合わされる植栽も配慮が必要です
植える場所が適切でないと、その後の剪定作業(脚立が立てられない、剪定ゴミが池に落ちてしまう)などに支障が出ることがあります
池をつくり、それを楽しむためにも多面の検討と経験が必要です。プランの段階から、ご相談ください

最後まで読んでいただきありがとうございました

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