樹や庭の基礎知識 

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除草剤と雑草の管理

この仕事に就いて、雑草と言う言葉をできるだけ使わないようにしています。一度お客様の庭に生えているドクダミを除草したところ、お客様は斑入りや八重のドクダミを大切にしていて、怒られたことがあります。基本は事前にお客様に確認することですが、できるだけ名前を憶えて、草の特性を知り 除草して良いのか?残した方が良いか?判断の基準にしています。ただ ランタナ(クマツヅラ科)のように、園芸種が逸脱して雑草化したものや、ナガミヒナゲシ(ケシ科)のように花がかわいいので、つい残しておくと大量繁殖したり、ややこしいものも多いです

目次

圃場、庭の管理

先日、花木苗の生産している大先輩の圃場に行きました
ほとんど草が生えていないきれいな植木畑です。打ち合わせしながらも、小さな草が生えていると、スッと草を抜きます
「草を刈ると言うけれども、私は好かない。除草剤は使うけれど、除草剤が効かない草もある。それは抜かなくてはいけない」
(一度こぼれた草の種は、環境がそろうと、数年後でも発芽するので)
「草の無い畑にするには10年かかるというけれど、20年たっても出ることがある」等
草の無い きれいな畑は、農家さんの長年の努力の結果です

雑草と草刈りについて

前日に草刈りした、わが家の圃場です
気温や地温が高い時期は、刈ってもすぐ伸びてしまい、悲しくなってしまいます

雑草の種類による生長点のちがい

先ほどの写真のように、イネ科の雑草等、地際で刈っても、生長点が根元にあるものは、主茎からすぐに分けつして伸びてしまいます
一方、生長点が高い位置にある、広葉雑草は、地際で刈ると衰えます
また、地際で刈ると、広葉雑草がなくなり、日当たりが良くなったことで、イネ科の雑草など生長点が根元にあるものが一気に伸びてしまいます
そこで、地面から5cm程で刈り、広葉雑草の生長点を残すことで全体の草の成育を抑えるという方法もあります

スギナ、ドクダミ、ヤブガラシ等地下茎のあるものは、地上部分を刈っても、生えてきます。地下茎を取り除くか、枯らさなければ、絶やすことができません

除草剤の種類と特徴について

ホームセンターなどで、様々な除草剤が売られています
除草剤の特性を知らず、間違って使って・・
根から吸収させる除草剤を庭木の根元に播き、その成分を庭木が根から吸収してしまい、枯らしてしまったお客様や
「ササ、スギナに効く」のパッケージ表示をみて、芝生えたササにかけ、芝も枯らしたお客様もいます

まず、除草剤には、農地用(農薬)の除草剤と農地では使用できない除草剤があります
ところが、ホームセンターなどでは同じコーナーに並んでいることが多く、パッケージを一目見ただけではわかりにくいことが多いです
弊社では 農地用(農薬)の除草剤を使用しています
農薬は農薬取締法で厳しく管理されたものです。農地で使えない除草剤を農地や家庭菜園で使う事は禁止されています
したがい、庭においても、農地用(農薬)を使用しています
(詳しくは下記のリンクをご覧ください)

弊社では、主に3つの除草剤を使い分けています。一覧として簡単にまとめてみました
タッチダウンiQ
プリグロックスL
ネコソギトップW
庭等 植栽のある場所では タッチダウンiQまたは、プリブロックスL
駐車場など、植栽の無い場所ではネコソギトップWを使います
それぞれ特性があり、目的に応じて使い分けています

タッチダウンiQ(シンジェンタ ジャパン株式会社)

タッチダウンiQ
ラウンドアップ マックスロードと同等の グリホサート系除草剤 液剤です。薬液が葉から吸収し、根まで枯らすことができます
1年生雑草は100倍に希釈、多年草は50倍、地下茎のあるスギナ、ドクダミ、ヤブガラシ等は25倍と希釈濃度を対象によりかえて散布します

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【500ml 1本付き】タッチダウンiQ 5L
価格:10500円(税込、送料無料) (2022/10/7時点)


" >タッチダウンiQ

プリグロックスL(シンジェンタ ジャパン株式会社)

プリグロックスL
ジクワット・パラコート系除草剤 液剤です
薬剤のかかった部分だけを枯らし、根は残ります。また、散布後、翌日から枯れ始めるので、散布後の効果がわかりやすいです。根が残るため、傾斜地等、表土が流れやすい場所に適しています

ネコソギトップW(レインボー薬品株式会社)

ネコソギトップW
アミカルバゾン・ブロマシル粒剤、土壌処理型除草剤です
散布後の効果期間が長い特徴があります。根から吸収するタイプなので、庭木の近くに播くと、庭木に影響があります。弊社では、駐車場など、植栽が無い場所で使用しています


" >『ネコソギトップW 5kg』

適用表を確認しましょう

少し難しく感じますが、パッケージには必ず 適用表があります。これには適用場所、植物、時期、使用量など記載されているので、しっかり読むことが大切です

適用植物により、希釈倍数が変わります。わからない場合は、弊社または専門の方(販売店、植木屋、農家さん)に確認してください

除草剤まとめ

お客様と話す中で、除草剤に対しての抵抗感はいまだに高く、やはりベトナム戦争の枯葉剤の健康被害のイメージがいまだに根強いと感じます
農薬としての除草剤は、農林水産省が管理し、適用の範囲で使えば、安全性を充分担保したものです
草が種を作る前に手で除草するのが理想ですが、労力の問題や、手では除去しきれない発芽したてのものがあります。効果的に使うためにも、適用表にかかれているものをまもって使うことが大切です

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