樹や庭の基礎知識 

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コニファーの剪定

クリスマスツリーとして鉢植えで買って庭に植えたり、常緑で鮮やかな色が人気で、庭の植栽に使われています

手入れは不要では?と思われていた方も多いと思います。思いがけず 急に大きくなってしまい、どうしたものかと、困っている方からのご相談も多いです

そんな コニファーの剪定方法について、実例もあわせて ご紹介したいと思います

目次

コニファーとは?

コニファーは、おもに欧米に自生する常緑・針葉樹の総称で、国内に流通している樹種だけでも相当数あります。種により 大まかにこんな樹形があります
立ち性(円錐形)
ニオイヒバ(スマラグ、ヨーロッパゴールド、グリーンコーン・・)、コノテガシワ(エレガンンティシマ・・)、ジュニペルス(ブルーヘブン、スカイロケット・・)、レイランドヒノキ、アリゾナイトスギ等
球形
コノテガシワ、ニオイヒバ(ラインゴールド、ゴールデングローブ・・)、サワラ(ゴールデンモップ・・)、ジュニペルス(ブルースター・・)等
這い性
ジュニペルス(ブルーパシフィック、バーハーバー・・)等

コニファーに剪定が不要?

自然な環境で樹形がまとまるため、手入れが不要と思われていた方も多いと思います。樹形はある程度はまとまりますが、放任しておくと徐々にくずれたり、思いがけず大きくなって手が付けられなくなったり、自分で剪定したら、枝が枯れてしまい部分的に枯れてしまったりして困っているお客様が多いです
そうならないための剪定のポイントや定期的な手入れ(剪定等)が必要です

コニファーの剪定の基本

コニファーの剪定には、いくつかのポイントがあります

その1:毎年の剪定で樹の中に光が入るように

コニファーは、気づくと樹の内側が枯葉でいっぱいになっていることが多いです。内側の葉を枯らしてしまうと、強い剪定ができず、樹形を戻すことが難しくなってしまいます
樹形を乱している枝を切るだけでなく、樹の内側にも光が入るようにするため、毎年の剪定や枯葉落とし等、毎年の手入れが必要です

その2:剪定時期は3-4月がおすすめ

コニファーの剪定は、三島界隈では休眠期の冬季に行うことが多いです
大暑性が弱い樹種もあり、夏季(7-9月上旬)は、強い枝を切る程度にします
また、耐寒性のあまり強くない樹種もあるので、強い剪定をすると冬場に傷むことがあるので、寒冷地は秋の剪定も注意が必要です
したがい、刈込み剪定後、成育し、剪定した切口も隠れる3-4月がおすすめです

その3:葉の無いところまで刈り込まない

(これが一番大切です)
ほとんどのコニファーは、深い刈込に弱く、葉が無い部分で切ると芽が出ず、その枝が枯れてしまいます
枝を切る際は、必ず葉のある部分を残してきるようにします

その4:円錐形のコニファーは芯を1つに

芯が複数に分かれたままにしておくと、樹の頂部(樹冠)が大きくなり、樹形が乱れてしまいます
芯が1本になるように、不要な枝は切るようにします

その5:球形のコニファーは樹形からはみ出た枝を刈りこむ

芯が立ちにくい樹種で、低木の性質ですが、幅が広くなってしまう事が多いので、樹形からはみ出た枝を刈りこむようにします

自分の手に負えなくなったら

自生地が寒冷な土地が多い樹種も多く、四季のある日本では、気づくと大きくなりすぎて、お客様自身では手に負えなくなってしまったコニファーに出会います
そんな時は、声をかけてください
いくつかの実例を紹介しますので 参考にしてください

剪定後です

お客様が剪定できるように、芯をとめて高さを2m程下げました
立ち性の樹形もできる限りできるように剪定しました
樹の内側の枯葉も落とし、中に光が入るようにしました

5m以上になってしまったコニファー(剪定前)

お客様が剪定していましたが、大きくなってしまいました
芝の庭も 樹の陰で、傷んで枯れてしまいコケが張ってしまいました

剪定後です

コニファーの本数も減らしました
2m程下げてました。樹形を保つように剪定し、不要な枝は抜き、枯葉を落としました
樹の中には光が入り風通しが良くなるようにしました

こんなテクニックも使います

樹は芯をとめると、一番上の枝は垂直に伸びようとする性質があります
そんな性質を生かし、樹形を本来の形になるように、芯をとめた部分の柔らかい枝をシュロ縄で固定し立てます。この部分が新しい芯が円錐形の樹形の頂点になります
写真は先ほどの樹です

まとめとして

剪定の基本 でも書きましたが、コニファーは葉のある部分で切る事や、枯葉を落とし、樹の中に光が入るようにすることが大切です
写真は コノテガシワの樹の内側です。光がはいるようにすると、小さな芽が広がり、新しい葉になり、さらに刈り込むことができるようになります
光が入らないと、この芽は枯れてしまいます

こんな剪定のポイントがあります。わからない時、手に負えなくなったときは、お気軽にお声がけください

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