草刈りに最適な時期と回数は?
お客様から質問に答える、その3回目「草刈りに最適な時期と回数は?」です
お客様から、雑草について相談は多いです。自身で草取りしていたものが、ヒザが痛くてできなくなった。両親が亡くなり家や土地を相続したけれど、手が回らず草がボウボウになってしまった など
愛樹園では、手による草取り、機械(刈り払い機、自走式草刈り機、乗用草刈り機)での草刈り、除草剤の併用など、目的にあった手段で、お客様の要請にお応えしています
雑草を知ることで、手段や回数など対策もかわります。まず、雑草についてお話し、それぞれの対策をお話します。雑草興味を持っていただくと良いです
目次
草刈り、草取りの草。雑草とは?
「雑草」と一言にいいますが
・農業としては、作物に害をもたらして、作物の生産量を減らす植物
・空き地や造成地など 人が開発した場所に自然発生・成育する植物
・身の回りにある(名前の知らない)自生する植物などなど
そんな雑草も実は薬草になったり、食べられる雑草も沢山あります。名前を知ると、雑草が野草になります
雑草の種類
植物の分類(科や属)でいうとキク科の植物が多いそうです。キク科の花はキクやタンポポのように小さな花が沢山集まり一つの花のように見える(頭状花序)が特徴です。沢山のタネができ、子孫を増やします
イネ科の雑草も多いです。そのいくつかは、米作が日本で行われるようになった時、お米とに混じって入ったそうです。とても歴史があります
また、園芸植物として日本に入ってきたものが、圃場や花壇から逃げ出し?広がってしまい、駆除に苦労しているもの、例えばランタナ(写真)もそうですね
雑草にも子孫を増やす戦略や歴史があり、面白いです
雑草の対策
雑草対策の要点は
落ちる種や、繁殖する元(休眠芽・地下茎など)を減らし、雑草の発生量を減らしていくことが大切です。毎年草と格闘しても、増えてしまっては、数年後には音をあげてしまいます
一度落ちた種は、地中で発芽するタイミングを待ちます。農業では、雑草のタネをなくすのに10年かかると良く言います
雑草のグループ分け
植物の分類には種・属もありますが、雑草対策には大きくタイプおおきく3つに分けて、それにあった対策をします
(a)1年草(夏型/冬型):1年で発芽し枯れるもの
ツユクサ、エノコログサ(ネコジャラシ)、カラスノエンドウ・・
(b)多年生:休眠芽が地表、または地中にあるもの
シロツメクサ、オオアレチノギク、セイヨウタンポポ・・
(c)地下器官型:地下茎・根茎が発達しているもの
スギナ、ススキ、ドクダミ・・
雑草のグループごとの対策
(a)から(c)になるに従い、駆除は困難になります
(a)1年草は手で抜くのが、一番効果的です
伸び始め、種ができる前に抜きます。小さいものは草削りなどで削って枯らします
タネができてそのままにしてしまうと、タネがこぼれて、さらに増えてしまうので刈っておくと良いです
根が残っているので、伸びます。特にイネ科の1年草の雑草は根元に成長点があり、短く刈ってもしばらくするとぐっと伸びます
手で抜ききれない小さな雑草の芽があります。それらに対しては、葉から効果成分を吸収させる、ラウンドアップなどの除草剤を併用します
1年草の場合は、葉が伸びてきた時に 100倍程度(薄めるタイプ)に希釈して散布します
気温にもよりますが10日前後で根まで枯れます。薬液は地面に落ちると微生物に分解するそうです
(b) 多年草、(c)地下器官型はなかなか厄介です
手で抜いても、芽や地下茎を完全に抜くことが困難です。刈っても、繁殖する元が残ってしまっています。そこで、除草剤を使います
雑草が伸び、ボウボウになってしまった場合、まず刈払機などで全面を刈りますが、ふたたび伸びてきたタイミングで(ひざ下より低いくらい)除草剤を散布します
葉から吸収するタイプなので、あまり伸びていると、葉に隠れた下の草の葉に薬液がかかりにくくなるので、この位を目安にしています
おおむね(b)多年草は50倍、(c)は25倍に希釈し散布します
草刈り、除草剤などの対策の時期と回数
除草作業はタネができる前が基本ですが、例えば(a)一年草(夏型/冬型)は 4月に伸長し5月頃タネをつけるものが多いですが、(b)多年草のセイヨウタンポポなどは4月にはタネ(綿毛)をつけます。(c)の地下器官型は、秋にタネをつけるものが多いでしょうか
雑草によってタイミングがちがうので、その生態を観察することが大切です
どの雑草が一番多く重点とするか見極めが必要です
私は、4月初めに機械での除草作業を行い、葉が伸長し揃ったころ 除草剤を散布するのを基本にしています
その後は、雑草の種類や伸長を見極め、年内に2-3回行います
また、(c)のスギナは葉の伸長した5月に除草剤を散布し駆除します
観察が重要なので、見回りとお客様と連絡を密にとるようにしています
除草剤について
除草剤には、薬剤を「葉から吸収する」と「根から吸収する」、「葉を枯らす」と「葉から吸収し根まで枯らす」、「液体」と「顆粒」、液体の場合「希釈」と「そのまま」、「農地用」と「非農地用」、など様々なものがあります
ホームセンターなどで「スギナにも効く」「効果が6カ月持続」等のセールストークみて除草剤を購入し散布、庭木を枯らしてしまったお客様が何名もいらっしゃいます
愛樹園は、庭では「葉から吸収」の「農地用」を使います。これは薬剤がかかった部分だけ枯れ、薬剤は地面に落ちると分解します。作物をつくる農地でも使えるからです
駐車場など 植栽が無い場所では、「非農地用」の「根から吸収」する除草剤を、目的に応じて使い分けます
わかりにくいですので、除草剤を選ぶ際は、ご相談ください
まとめとして
雑草の対策は、近道が無いと思っています。地道に、普段から草取りをするというのが一番かもしれません
しかし、気づいた時には伸びすぎて手に負えなくなってしまう事が多いと思います
効率よく行うには、専門性と経験が必要ですので、わからないや困った時はお問合わせください
また、雑草対策には、庭づくりのコツや防草シート、砂利敷き、人工芝など造園材料を使う方法もありますので ご相談ください