枝はどこを切ったら良いか?癒合剤とは?:自分で剪定してみよう7
「忌み枝」の除去、切戻し剪定と透かし剪定と、剪定のポイントについてお話してきました。今回は、枝のどこを切ったら良いか?お話します
マツなど針葉樹の剪定は樹種の生態を知らないと、失敗してしまいますし、また樹種によって剪定の時期がありますが、また別の機会にお話しします
目次
どの位置で切ったら良いか
忌み枝の除去や透かし剪定で、枝元で切る(抜く)とお話しましたが、単純に切るだけでなく、注意するポイントがあります
枝で幹から離れた部分を切ってしまうと、その切り口から幹の部分までの枝は枯れてしまいます
太い枝だと、その枯れた部分から腐朽が始まり、幹まで傷めてしまいます
一方、イラストのように枝元で切ると、樹皮がまきやすく、樹皮がまくことなどから、腐朽を防ぎ、樹を健康に保ちます
ブランチカラー残して枝を切る
もう少し詳しく説明します
枝元を良く観ると、枝元がぷっくり膨らんでいます。この部分をブランチカラーと呼んでいます
イラストは樹の断面図です、幹の中心と枝の中心を結んだあたりから枝付け根にむかって保護層があります
枝が折れてしまった時などに、幹に被害が及ばないようにしている構造と思います
枝を抜く剪定では、この保護層を残すように枝を切ります
この位置で切ると、保護層が腐朽を防ぎ、また、切口に樹皮がまきやすいです
枝の途中は芽の位置を考えて切る
切戻し剪定等で枝を切る際は、芽(葉)の数mm上で切ります。芽は葉になり、光合成した栄養分が樹下に流れるため、樹皮をまもり、また樹皮を巻くのを促します
注意が必要なのは、芽の方向です。側面から見たイラストですが、芽は出ている方向に枝葉を伸ばします
基本は外芽の少し先で切ります芽は成長しながら上方向に伸びますが、樹形をあまり乱しません
内芽は立枝になりやすく樹形を乱すことになります
癒合剤は剪定した切口を保護します
ブランチカラーや芽の位置を確認して切ることでが基本ですが、太い枝(おおむね2cm~4cm以上)を切った場合、トップジンMペースト等の癒合剤を塗布することをお勧めします
癒合剤は切口を乾燥や湿気、雑菌から防ぎ、切口の腐朽を防ぎ、樹皮をまくのを手助けしてくれます
癒合剤は私たちは1Kg入りのものを使いますが、200gの小さいものもあります
まとめとして
7回にわたって、自分で剪定するポイントと注意点をお話しました。私なりの考えをお話しましたので、他と少し違うかもしれません
こんな言い方をすると怒られますが、この仕事に就いてから、沢山のお客様の庭や樹で練習させていただきました
読むだけではわからないことも多いと思います
まずは、剪定してみてください。樹は自分で治る力がありますので、多少の失敗は許してくれます
剪定して、観察してみてください。そしてこのブログや、剪定法の本を読んでみると色々気づくと思います
また、わからないことなどありましたら、プロの方や私たちに質問してみてください
皆さんが庭木に触れ合うことが、楽しみになるようになると良いなと思います