樹や庭の基礎知識 

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害虫の発生に気づく わかりやすい5つサイン

アゲハの幼虫

庭木の病害虫の被害で樹が枯れてしまった・・を防ぐためには、発生の初期、被害の小さいうちに対策することが大切です

しかし、樹に居る虫は気づきにくいです。写真はミカンについたアゲハの幼虫です。このようにクローズアップするとわかりますが、ミカンと同じ緑色や模様がイモムシの外形をわかりにくくしています。また、幼齢の幼虫は鳥のフンの擬態で、天敵から身を護るために進化しているので、なかなか見つけにくいです。ふだんは葉裏に潜んでいたりして、外から見えないです

樹に虫が発生すると、いくつかの痕跡を残しています。今回は庭木に虫が発生している、わかりやすいサインを紹介します

目次

害虫の発生に気づく わかりやすい5つのサイン

私が、虫が発生している?と気づくわかりやすいサイン(痕跡)を紹介します

その1 葉が食べられている

クリの葉の食害

これは、わかりやすいですね
食べ方によって(葉の端から食べている、孔があいている、葉脈を残している、葉の中に潜って食べている)などによって、疑う虫が変わってきます
例えば、
端から食べている:スズメガ(幼虫)、アメリカシロヒトリ(幼虫)など
孔があいている :コガネムシ(成虫)など
葉脈を残している:イラガ(幼虫)など
この食べ方と樹種で、虫を絞り込んでからムシを捜し、確認してから対策します

その2 葉が黒くなっている(スス病が発生)

スス病

スス病 と言う名前のとおり、枝葉、実などに真っ黒なスス状のものがつきます
これは、アブラムシやカイガラムシが発生していると知らせてくれています
アブラムシやカイガラムシの分泌物(排泄物)が、スス病の原因になるからです
常緑の柑橘類、モチ、ゲッケイジュ等に多いです
スス病を直接改善するのは難しいですが、発生したアブラムシなどを駆除することで、新芽などにスス病が広がるのを防ぎ、改善していきます

その3 根元等に木くずが落ちている

根元の木くず

良くみると樹の幹や枝に小さな孔があいていることに気づくと思います
これは樹の幹に入り込んだカミキリムシ(幼虫)のフンと木くずが混ざったものです
カミキリムシ(幼虫)はテッポウムシとも呼ばれます。幼虫の1年~数年間、幹や枝をトンネル状に喰い荒らし、樹勢を落とし、風が吹いた時折れたりしてしまいます
この孔に注入するタイプの殺虫剤を散布し、樹内のテッポウムシを駆除します


" >園芸用キンチョール

その4 フンが落ちている

スズメガのフン

チョウやガの成虫は、口が退化して何も食べなかったり、ツユや蜜を吸うぐらいですが、幼虫(イモムシ)の時は大食漢です。体の大半が消化器官です。高木など、見上げてもわかりにくいですが、樹の下にフンが落ちていて、犯人?に気づきます
お客様のプランターに植えられた、オリーブの下に、規格の揃った、手りゅう弾みたいなものが沢山落ちていました。最初は、お客様が播いた肥料?と思いましたが、幼虫のフンでした。ちょうどミスタードーナッツのポンデリングが何重にも重なったような構造です
オリーブを観察すると沢山のスズメガの幼虫が何匹も居ました
殺虫剤を散布する等、対策します

その5 クモの巣が張っている

ツバキのクモの巣

私は、ツバキ類を剪定する時 クモの巣が張っていると、その樹に危険なチャドクガが居ると思って、作業を始めます
クモも漠然とではなく、虫が多い等の理由があって巣を張っているとの仮説からです

まとめとして

今回は、わかりやすいサイン(痕跡)を紹介しました
症状×樹種でその樹に発生している虫をがかなり絞りこめます

早く気づくことで、小さな樹なら、割りばしなどで、幼虫を除去することができますし、最少の被害で抑えることができます

具体的な対策については、またお話します
また、近くの専門家、植木屋さんなどに相談してください


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