カメムシの大量発生
植木屋になって12年余りになりますが、今年は一番多いような気がします。ニュースやSNSなどでも大量発生が話題になっています
目次
日本全国でカメムシが大量発生
農林水産省は農作物の病害虫の注意報を定期的に発表しています
これは、農作物にかかわるものになりますが、水稲害虫の斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメ、クモヘリカメムシ等)は15県
カキや柑橘類害虫の果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ・クサギカメムシ・ツヤアオカメムシ等)は13県
ダイズなど豆類害虫の吸実性カメムシ類(ホソヘリカメムシ,イチモンジカメムシ,アオクサカメムシ等)は2県です
重複発生もありますので24県に注意報が発表されています(11月20日現在)
これからも カメムシが全国的に大量発生していることがうかがわれます
このようにカメムシは、作物を吸汁することで収量や果樹の品質を落としたり被害を与える、農作物や家庭菜園や果樹にとって注意すべき虫です
カメムシは不快害虫?
カメムシは小さな隙間から家に入ったり、取り込んだ洗濯ものに入りこんで家に侵入したりします
これは、明るく暖かいところが好きで集まる習性によるものだそうです
農作物にとって害虫ですが、嫌われる理由は、強烈な刺激臭としてではないでしょうか
カメムシの仲間は1,300種程いて、その一部の種が、危険を感じると愛の付け根から強烈なニオイを発します
ニオイを発する液は、水で洗っただけでは落ちず、なかなかしつこいです
大量発生の原因
カメムシは、成虫で落葉や樹皮などの隙間で越冬し年複数回発生(世代交代)します。果樹カメムシ類のチャバネアオカメムシカメムシ等はスギやヒノキの球果がエサです。スギやヒノキの花粉が多いと結実する球果も増え 比例してカメムシの数も多くなるそうです
また、今年は暑い夏が続いたことで、年間の世代交代が増え、大量発生したのではと言われています
雑草の中でも繁殖するので草の繁茂が激しく、草刈りが間に合わなかったことも 大量発生の一因かもしれません
カメムシの汁は危険
実は、私はそれほどカメムシのニオイは嫌いではありませんでした。今回ブログを書くきっかけになったのは、カメムシのニオイの元になる汁が危険だと言う事を知ったからです
剪定中、カメムシの汁が職人さんの眼に入りました
とても痛く、すぐに水で洗い流し、目薬を差すなど応急処置をしました
ところが 翌日も傷みが残り「目の周りも殴られたように痛い」とのことで、仕事を切り上げて、眼科に行ってもらいました
カメムシのイヤなニオイは、敵を遠ざけるだけでなく 汁は炎症や着いた部分の変色などをおこさせるので、カメムシの多い場所の草刈りや剪定は防護眼鏡をするなど注意が必要です
カメムシの対策
嫌われるカメムシですが、このような生態から、果樹などについたものを農薬などで駆除したり、家に侵入したものをガムテープで捕獲はできますが、潜んでいるスギ林や草むらから次々と現れてしまいます
それでは、カメムシの潜むスギ林や草むらに広範囲に殺虫剤を散布すれば・・と思いますが、薬剤の量も大変ですが、様々な虫などを駆除することになり、生態系のバランスが崩れ、別の種類の虫や病気が大量発生したりしてしまう恐れがあります
部屋に入ったカメムシの駆除として 凍らせるスプレーは、ニオイを出す刺激を与えないことで有効だそうです
地道ですが、草刈りや落ち葉の片付け等をすることが基本のようです
農業では、フェロモンや光で誘引する方法など様々な方法が試行されているそうです
まとめとして
私たちに都合の悪いカメムシの話題ばかりになってしまいましたが、青りんごや洋ナシのような匂いのするオオクモヘリカメムシも居ます
ハナカメムシ類は野菜やコメの害虫の天敵で、農作物を守ってくれているそうです
また、カメムシの仲間は多く、セミ、アメンボ、タガメもこのグループで、私たちには直接かかわりのない種も多いです
大量発生が、カメムシを嫌うだけでなく、観察して カメムシの生態や環境とのかかわりなど興味を持っていただける機会になると良いです