樹や庭の基礎知識 

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庭木の剪定時期

今年もあと10日、お客様の庭の手入れも追い込みです。この時期 剪定しながら 悩む樹があります

お客様の依頼は庭をすっきりさせて新年を迎えたい。今剪定するとこれから咲く花の芽も切ってしまう、樹の剪定に適した時期ではないのだけど等・・です

花芽のあるツバキ

目次

樹の都合とヒトの都合があります

樹はなぜ伸びるの?(また詳しく説明しますが)
樹の種類によりますが、自然の状態では、太陽を浴びようと他の樹と競って上へ大きくなります
したがい、上に伸びる強い枝はどんどん伸び、日陰の弱い枝は、しばらくすると枯れて落ちます
剪定は、庭の限られた空間で樹の自然な姿で楽しむための技術です。自然とは逆に、強い枝を元から切って、弱い枝に日が当たるようして、樹が大きくならないようにしながら自然の樹形を保つようにします

樹の都合・・剪定の適期とは

庭木の剪定は、樹の負担の少ない時期が剪定の適期です
一般に落葉樹は落葉後の休眠期です
一方、暖かさを好むカンキツ等常緑広葉果樹は、秋以降に強い剪定をすると寒さで傷んでしまう事が多いです。3月のお彼岸過ぎが適期です
また、花を楽しむ樹、ツバキ、サツキ等は花後、花芽ができる前、それぞれ3月以降、5月末以降でしょうか
次期は三島界隈ですが、それぞれの地方の気候によって差はあります

ヒトの都合・・剪定したい時期

一方、ヒト(お客様)の都合・・
三島界隈では、三嶋大社の祭礼(8月15日-17日)がお盆にかかることもあり、その前までに庭を剪定してと言うお客様や年末に庭をすっきりさせて、新年を迎えたいというお客様が多いです
また、夏に向かい ぐっと枝葉が伸びる時期に、問い合わせの電話やメールなども増えます
お庭には様々な樹が植えられています
年3回剪定であればある程度は可能ですが、旅館など特別なお客様です。多いお客様でも年2回。一般的には年1回のお客様が多いです

そして植木屋の都合

適期にすべて剪定できれば素晴らしいですが、お客様(お庭)が重なってしまい すべてまわることは困難です
言訳で申しわけありません

こんなことに気をつけて剪定しています

それぞれの都合で矛盾しています。すべてを満足することは難しいですが、こんなことに気をつけて剪定しています

まずは、お客様と相談します

例えば 今この樹を剪定すると、花芽を切ってしまう事になり、花の数が減りますが・・等 具体的な課題をあげて、お客様と相談しています
それでも剪定して欲しい、という時は、枝を透かした強めの剪定をします。今年(次回)の花は少なめですが、翌年以降は あまり強い剪定しなくても良いようにしています

シンボルツリー(そのお庭の主木)の適期の剪定を提案しています

その庭のシンボルツリーは何か?単に大きな樹というだけでなく、お客様が一番大切に思っている樹は何か?です。その樹を中心に 剪定の時期を提案します
また、庭に一番多い樹種、最大公約数的に、時期を提案することもあります
これもお客様と相談、確認して時期を決めています

こんなこともあります

はじめてのお客様から、枝葉が伸びてしまったので、剪定して欲しいと連絡があることがあります
多くは夏に向かって、ウメなどの徒長枝(上に伸びる、強い新しい枝)等がぐっと伸び始めた時期です
お客様は、慌てていますが、今剪定してもしばらく伸びるので、もう少し時期を遅らせた方が良いですよと提案ます

まとめとして

剪定が樹の負担にならないように、お客様の目的がかなえられるように、お客様の(お財布の)負担にならないように
そして、植木屋が繁忙期に倒れないように(スイマセン)。色々考えながら剪定しています

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